新病院建設時のシステム更改でSCVXを導入、電子カルテのセキュリティ確保と
インターネット接続環境を両立させ、外来診療の効率化を実現

事例概要

国家公務員共済組合連合会が運営する虎の門病院は、2019年の新病院完成にあわせて、院内システムやネットワークを全面更改した。その際、診察室でもインターネット接続ができるよう仮想ブラウザの採用を検討し、ジェイズ・コミュニケーションのインターネット分離ソリューション「SCVX」を導入した。SCVXは移転と同時に2019年5月から稼働を開始、外来診療の効率化と患者の満足度向上に貢献している。


外来診療時にインターネット利用ができる環境へ

虎の門病院(以下、同院)は国家公務員共済組合連合会の中核的医療施設として昭和33年(1958年)に設立された。高度の専門医療を可能にする専門分化した診療体制、充実した検査態勢、病棟医(レジデント)の24時間病棟常駐体制など、当時としては極めて先進的な構想を具体化する形で建設された。以来、この精神に則り、最新の設備と充実したスタッフのもと、医療、医学上の各分野で成果を上げるための努力を積み重ねてきた。現在は国家公務員以外にも広く開かれた病院として運営されている。各専門診療科の協調により集中的で高水準の治療環境を実現し、「臨床」「予防」「教育」「研究」という4つの柱で患者中心医療の充実に全力で取り組んでいる。
同院では建物の老朽化に伴い、隣接地に新病院を建設、電子カルテなどの院内システム、ネットワークを全面的に更改することにした。新病院では、院内システムは部門サーバーも含めサーバー室で中央管理、そのうちの一部のサーバーは仮想環境に設置、ネットワークは従来病棟だけだった無線LANを病院全体で利用できるよう設計された。さらに、電子カルテをポータル化し、部門システムと連携、診察にあたる医師はポータルから関連システムを起ち上げて使えるよう計画した。そこで大きな問題になったのは、従来診察室では使うことができなかったインターネット接続の取扱いだった。「外来診療中は、日々更新されるガイドラインの確認や、患者さんが通院しやすい医療機関を紹介する際の検索などでインターネットを使う必要があります。今までは別の場所に設置している共用PCを使って確認し、診察に戻るというやり方をしていました」と、システム委員会委員長を務める同院 皮膚科部長 林 伸和氏(以下、林医師)は旧病院での診察室の様子を振り返った。

Webページがプリントアウトできる「SCVX」は、外来診療の効率化を実現

外来診療時、共有PCを使う度に時間的なロスが生じる状態を解消するため、同院では患者情報を中心にセキュリティを厳しく確保した上で、診察室でインターネット接続ができる環境を構築することにした。「電子カルテなどの患者情報とインターネットの両方を使い分けるには何が良いかをいろいろ考えました。そこで思い出したのが留学中に利用した仮想ブラウザでした」と、システム委員会セキュリティグループリーダーを務める同院 腎センター内科・リウマチ膠原病科部長 星野 純一氏は語る。
同院ではネットワーク構築を担当するネットワークインテグレーターのアライドテレシスに依頼し、複数のソリューションを候補として仮想ブラウザの選定に入った。そして、最終的にジェイズ・コミュニケーションのインターネット分離ソリューション「SCVX」の導入を決定した。ファイルのダウンロードを禁止した上で、連携する地域医療機関の地図など、Webページのプリントアウトができることが選定理由のひとつだ。「ファイルダウンロードにより電子カルテシステムへの感染が発生した際、情報が外部に流出してしまうリスクがあります。ですからインターネット経由でのファイルダウンロードはできないような仕組みであることは必須でした。一方で、患者さんに手渡す医療機関の地図などが記載されたWebページの印刷は欠かせません。SCVXはコストパフォーマンスが良い上に、その要件を満たしていたので、導入を決めました」と同院 事務部 情報システム課長 植木 永吾氏(以下、植木氏)は説明する。
同院では新病院の建築と並行して、まずは新しいサーバーの構築を進め、2019年4月にSCVXの導入作業を開始した。作業はスムーズに進み、2019年5月1日、新病院への移転と同時に稼働させることができた。
新病院の診察室では2台のディスプレイが1台のPCに接続され、例えば右のディスプレイにX線やCTなどの画像、左には電子カルテを表示させ、操作することができる。必要な場合にはSCVXの仮想ブラウザを起ち上げ、インターネットに接続してWebサイトを表示し、画面を見ながら患者に説明することが可能になった。旧病院では、インターネットからの情報が必要になった場合、共用PCまで移動して確認し診察に戻るか、医療秘書が調べて診察室まで届けていた。「SCVXを導入したことで共用PCまで移動する必要がなくなり、診察が中断されることがないので時間の短縮につながりました。加えて、診察室で患者さんと一緒にインターネットで地図を見ることができるので、医療連携で通院する自宅近くの医療機関について話し合うことも可能です」(林医師)。

医療の国際化に向けて、インターネット利用拡大への貢献に期待

現在、SCVXは外来診療の医師と医療連携室の職員を中心に利用しているが、夜間の病棟で利用したいという声が看護師から上がっている。
「入院している患者さんから夜に問い合わせがあった場合、今はその場で答えることができず、翌日に回答しています。SCVXを使ってインターネット接続できるPCが病棟にあれば、安全にWebページを開いて、必要な情報を確認、その日のうちに答えることができるようになります」(植木氏)。外来診療の効率化のみならず、更なる患者視点での医療提供を行う手段としてSCVXの利用拡大を検討している。
同院では、医療の国際化を重点課題のひとつに掲げ、国内に居住する外国人への医療の提供とアジア諸国など海外からの患者の受け入れの両面で対応を強化している。2017年にJMIP(外国人受け入れ認証制度)、MEJ(日本国際病院)の2つの認証を取得しており、世界基準の医療認証機構基準であるJCIについても取得を進めていく予定だ。医療の国際化において課題となるのは多言語への対応だが、治療提案の手段として使いやすいことから、医療現場でのインターネット利用は有効な手段といえる。電子カルテシステムとインターネット利用環境を安全に両立させるため、SCVXへの期待は大きく高まっている。


  • 社名

    国家公務員共済組合連合会 虎の門病院

  • 所在地

    東京都港区虎ノ門2丁目2番2号

  • 開院

    1958年(昭和33年)

  • 病院長

    門脇 孝

  • 病床数

    819床

  • 事業概要

    44の診療科と6つのセンター、13の診療技術部を持ち、地域がん診療連携拠点病院、東京都肝疾患診療連携病院に指定。高度先進医療を担う病院として、高い評価を受けている。

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